つい先日高松に行ったばかりですが、また行ってきました。今回は「Webridge Meeting SP9 〜今おさえておきたいアクセシビリティ〜」で植木 真さん(インフォアクシア)/益子 貴寛さん(サイバーガーデン)/神森 勉さん(KDDIウェブコミュニケーションズ)が登壇。そして、アクセシビリティは趣味でやっていると本人が言うほどアクセシビリティの事を深く考えている森田 雄さん(ツルカメ)が会場に見に来られてたので、凄いメンバーが高松に集結していました。最後のトークセッションでは、森田さんも参加してとても深い内容で各スピーカーの補足があったのでかなり締まったかつ楽しいセッションでした。


アクセシビリティというと、わたしがよく感じるのはいつも「それやって儲かるの?」って話になると困ってしまうという問題。ちゃんとアクセシビリティに配慮して、特にJIS X 8341-3:2010のAAやAAAなどをクリアしようと思うと、機械で自動的に文法をチェックなんて生易しいものではなく、ちゃんと文脈や配色などを含めてしっかり人間が判断して最適なものにしなければいけないのでとても大変だし時間のかかる作業になります。
益子さんのセッションでA(シングルA)をクリアする為の項目の解説がありました。沢山ある中のほんのいくつかを抜粋して解説したのですが、それだけでもそこそこ大変です。つまりクリアするにはそれなりにコストがかかる作業なので、「いくら儲かるかわからない事ならついでにやっておいてよ。」って済む話でないわけです。
なので、本当は色々と提案したいのに制作コストと納期などの事を考えるとなかなかできないというジレンマがあります。
儲かる儲からない関係ないところでも、特にアクセシビリティに配慮が必要なサイト、(例えば介護関連の事業所など)はサイトを制作する予算がそもそも全然無いところが多い。そりゃまぁ普通は介護保険報酬というのは法律で決まった額しか収入が無いのでそこから捻出できる額はしれてるはずで、まず国レベルで仕組みを変えないとどうにもならないと思います。

神森さんのセッションの中で、「こちら(制作)側からはなかなか「ここまでやりましょう。」とは言えない事が多いですが、クライアントさんが「アクセシビリティに取り組みたい。」と打診してこられた時はとても意識が高まっている時のはずなので、是非しっかりと相談に乗ってあげてください。」と話されていました。
では予算が少ないと何もできないのか?コストをかけなくても出来ることはいっぱいあります。



「アクセシビリティ=障害者やお年寄りの為」
とついつい考えがちですが、実は誰もが「一時的に障害のある人」になりうるのです。例えば、眼鏡忘れて見えない。とか、手を怪我してマウスが使えない。とかもそうです。なので実はアクセシビリティにちゃんと気をつけてサイトを作っていると、普通に使いやすいサイトになるはずなので、そういった配慮が大切なんです。
気持ち文字を大きめにするとか、コントラスト比を気にするとか、画像には適切なaltを付けるとか、ちゃんと見出しには見出しのマークアップするとか。植木さんによると、「Webアクセシビリティはテキストが命&マークアップが命」という事なので、最低限当たり前の事は当たり前に。ここはちゃんと普通にやるのにコストが特にかかる部分では無いので手を抜いちゃダメですよ。
そして色。普通に薄い背景なのに白抜きみたいなタイトル画像とかよくありますよね。目がいい人でも見難い。その辺、どうしても白抜きにしたいなら黒フチ付けるとか、背景をもっと濃くするとか考えないといけないですね。自分が見えてるものが万人に同じに見えているという認識も捨てたほうがいいでしょう。日本には、色覚特性のある人は320万人、白内障の人は150万人いると言われるほど、わたしが見ている赤をそのまま誰もが同じように見えてるわけでは無いので。
これに関して、旅費自腹&飛び入り講演の森田さんが「いくらPhotoshopなどの確認ツール使って確認したところで、「あぁ赤がこんな感じになっちゃうんだ〜」だけになってしまっては意味が無いし、それをどう直してもそもそも赤にはならないので、「赤と緑を隣接させるな」と言うような明確な指示が解りやすい。」と話されてました。


植木さんのセッションでこんな話題もありました。
震災時にずっとテレビの隅に表示されていた津波警報が、色覚特性のある人には全然わからなかったらしいですが、あれはわたしも解り難かった。大津波警報が赤、津波警報がオレンジ、津波注意報が黄色な感じで日本地図の周辺に点滅表示されていた記憶があるのですが、当時まだ地デジでは無く画面も滲んでいたので3つの区別ができなかった。そんな事も今、徐々に研究や協議が進んでいるらしいのでどんどん改善されていくと思います。

とにかく、若い人でも元気な人でもいつでも怪我したり病気になったりしますし、そのうち放っておいても歳取ったら目は見えにくくなるわ(←これは以外と早く40過ぎるとくる!)、ずっとヘッドホンで大音量の音楽ばっかり聴いてるとわりと早く耳も聞こえにくくなるし、あちこちガタがくるので、あまり小難しい事考えずにみんなが少しずつ楽しくちゃんと作るように心がけているとだいぶ変わってくると思います。
森田さん曰く「アクセシビリティって言うだけでついつい難しくて面白く無いって感じになってしまうから、むしろ楽しくやった方がいい。僕らが爺さんになってもちゃんとWeb使ってたいし。」なのです。

その日の皆さんのTweetです。#wmsp9

旧ブログで過去にアクセシビリティに関して書いた記事です。

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このブログを書いている人

おかだよういち:

Designer + Photographer

兵庫県相生市在住。 1986〜1992年までシアトルに滞在。Northwest College of Artのビジュアルコミュニケーション科でアート・写真・デザインを学ぶ。その後東京のデジタルイメージ制作会社FOTONに入社。6年間の広告ビジュアル制作で修行し、現在は関西でWeb制作や撮影を中心にフリーランスで活動すること十数年。各地のセミナーイベントなどに頻繁に出没する。

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