2012年2月25日高松で開催された、CSS Nite in TAKAMATSU, Vol.6 「Webデザイナーのモチベーションアップ」に行って来ました。去年何度か高松のイベントに電車で参加しましたが、その時は終電で日帰りでした。今回は翌日の讃岐うどん巡りに参加するために、... MacでWebの仕事をしている方には多分お馴染みのアプリ、Transmit(トラックのアイコンのFTPクライアント)やCoda(葉っぱのアイコンのコーディングエディタ)のPANIC JAPANの代表、長谷川さんと一緒に ... 車で行きました。
うどん巡りツアーのことはまた別記事に書くとして、本編の様子と感想などを書いておこうと思います。

まず、今回の出演者が、中川さん、鷹野さん、高畑さん、ヤスヒサさん、と、このメンバーが4人揃って登壇なんて東京でもなかなか無いんじゃないかと思います。高松は、(昨年のアクセシビリティセミナーでの、植木さん、神森さん、益子さん、飛び入りの森田さんとか)度々こういうことをやってくれるので近隣の人間としてはとても嬉しい。更に今回のテーマが、アプリの解説などの技術的な内容ではなく、「Webデザイナーのモチベーションアップ」という深い内容だったので、昨年から楽しみにしていたイベントでした。

たかが Web クリエーター、されど Web クリエーター 2012 年、僕自身が認識したいこと、そして皆さんと共有したいこと by 中川 直樹さん


中川さんのプレゼンスタイルはいつも、普通に個人的に1対1でしゃべってるような自然な語り口調で、どんどん話に引き込まれていきます。
今のWebを取り巻く現状は、日々新しい技術やデバイス、サービスなどが出てきて、Webデザイナーは今後ますます活躍する場が広がる。デバイスの変化や電子書籍の出現によって、今までよりも更に、Webにもグラフィックデザイン的要素が必要になってくるんじゃないか。
デザイナー、Massimo Vignelli(だったかな?)の言葉


デザイナーの人生は闘い
醜さとの闘いだ
医者が病気と闘うのと同じ
私たちは視覚的に美しくないものをデザインで治療しようとするんだ。

を引用し、デザインって凄いことやってるんだよ。みんな頑張ることまだまだいっぱいあるよ!って熱い気持ちが伝わってきました。
中川さんは再来週のWCANにも出演予定で、内容はこれの長いバージョンらしく、ネタバレやばいのでまたWCANのセッションを聞いた上で改めて書きたいと思います。


ライク・ア・ローリング・ストーン - 鷹野 雅弘さん


鷹野さんのTweetしないでねセッション、今回のテーマ「Webデザイナーのモチベーションアップ」でしたが、このセッションの内容はデザイナーというよりは、むしろフリーランスや経営者など自分で売上とか仕事の選択などまでしてる人に関係する内容で、今のわたしにとっては一番刺さりました。
今までいっぱい色んな鷹野さんのセミナーを聞きましたが、今回が一番よかった。(個人的にですよ。今の自分のシチュエーションにぴったりはまった内容だったので。)


なんでこの仕事がうちに来るの?って言うような「やったことがない」「できるかどうかわからない」内容。そんな仕事ほどステップアップのチャンス!ですよ。
ですです。だと思います。そして、常に120%くらいのものを納品しないとダメで、更には、上の予算の仕事を取ろうと思ったら、例えば今30万の仕事で、30万だからこの程度でいいかなぁってやるんじゃなくて、100万くらい貰ったと思ってそれくらいのポテンシャル出してると、次その予算の仕事がくるようになんか世の中なってるみたい。って話、なるほどなぁって思いました。
鷹野さんと言えば、DreamweaverやFireworks、Illustratorなどアプリの技術的なセミナーが多いですよね。わたしが参加した中で、変わったところと言えば、英語、あとプレゼンのワークショップ。今回のプレゼンを聞いて、鷹野さんの、小さな会社の経営セミナーや、鷹野さんお気に入りのExcelの話をじっくり聞いてみたい。


KDDI ウェブコミュニケーションズのデザインチームにおけるモチベーション復活劇 by 高畑 哲平さん


高畑さんのセッション。これも良かった!
今までフリーランズでほぼひとりで制作してきましたが、今後少し状況が変わるので、とても参考になりました。チームでの人間関係や、その人の向き不向きを見極めて適材適所に人員を配置するなど、口では簡単に聞こえる当たり前のようなことですが、なかなか実践するには難しい内容を高畑さんの経験を元に話してくださいました。
特に、情報共有は大切で、断片化した情報だけで制作するのではなく、何のためにこの作業が必要なのかが理解できていないと心構えができず、モチベーションが保てない。

そりゃそうです。お客さんがここ赤にしてって言ってるので、とにかく赤にしろ。って言われても、なんで赤にするのか解らないで、言われるがまま赤にするのだと、ただのロボットみたいですよね。もしかしたら、「目立たせたい=赤にする」なのかもしれないし「経営者がただ赤が好き」なのかもしれない。目立たせたいという理由なら、他の方法の方がデザインにマッチして綺麗でかつ目立つかもしれない。そんな目的を共有することなく、「おまえはそんなこと考えず、言ったことをやればいい。」ってのは上手くいくはずないです。
優秀なまマネージャーが陥りやすい罠というのは、自分が出来ちゃう分、「◯◯はこうあるべきだを求める」「◯◯にこの情報は必要ない」と決めつけてしますことだそうです。YG検査、取り入れようと思います。

あと、凄く共感したのはWeb関係のセミナーやイベントで、よくクライアント(発注側)を悪く言う人がいるし、多くの人はそれに同調したり笑って頷いたりする。それってどうなの?って話。ほんとそう思います。
「クライアントが全然わかってないんだよね。」なんて話、よく聞きますよね。日々急速に進化しているWebの世界で、われわれ専門でやっててもわからないこといっぱいあるのに、クライアントが全部わかってなきゃいけないなんて変な話です。わからなくて当然で、それをサポートしてあげるのが企画側&制作側の仕事だと思います。クライアントさんわかってないなぁってイライラして文句言うのではなく、解らない前提で少しずつ一緒に成長できるように仕事すればいいんじゃないかな。って高畑さんの話聞きながら思いました。

Web デザインのウソ・ホント ? Web らしくデザインするためのヒント by 長谷川 恭久さん


そしてトリはヤスヒサさん。
iPhoneやiPad、そして各メーカーのAndroid、その他ゲーム端末など様々な端末でWebにアクセスする今、各ブラウザで全く同じ表示が当たり前だって作業をしていたのはそろそろ間違いだときづかないといけない。そして、それに伴い、作業フローやクライアントさんとのチェックの方法なども変わっていかなければいけないんじゃないか。デバイスに最適なコンテンツや見せ方を考えていかないといけない。
その考え方の元になるのがプログレッシブエンハンスメント。見た目を同じにすることに時間と能力を注ぐよりももっとやるべきことがあるはずです。


ピクセルパーフェクトも存在しない。今までデザイナーが1ピクセルにこだわって丁寧に作ってきたものが、今後はそのまま利用者に届くのではなくユーザーが見たい情報を見たい形で見るためにコントロールできるようになる。など、どういうふうにコンテンツが消費されているのかを考え、柔軟性を保ちながら空間をデザインすることが大切になる。そして、Webをデザインする際に、ページという紙のデザインのメタファからはもう離れた方がいい。
と、ヤスヒサさんが話す内容はいつも少し先の未来を語っているので、日々、IE6対応などでどのブラウザでも同じ見た目になるようなことを必死で追いかけるのではなく、少し先を見てそこに向かって日々進むのがやる気もでるし制作するのも楽しいのではないかと思います。




今回、兵庫県から2人参加しましたが高松に行くと、岡山からもいっぱい知人が来てたし、東北からも知人の知人(SNSでアイコンをよく見かける人)達が何人も来られてた。東京から来られてるスピーカー陣とは、むしろあちこちで頻繁に会ってるので「おぉぉ!久しぶり〜」とは全然ならないのですが、色んな場所から高松で集合しているのが何故か凄く楽しかったです。
参加されたみなさん、スピーカーのみなさん、運営のみなさん、とても楽しかったし沢山得るものがありました。ありがとうございました!


関連記事...


関連タグ:セミナー CSSNite レポート 

Did you like it?

いかがでしたか? よかったらTwitterやFacebookなどあなたの好きなサービスで是非共有してみてください。

このブログを書いている人

おかだよういち:

Designer + Photographer

兵庫県相生市在住。 1986〜1992年までシアトルに滞在。Northwest College of Artのビジュアルコミュニケーション科でアート・写真・デザインを学ぶ。その後東京のデジタルイメージ制作会社FOTONに入社。6年間の広告ビジュアル制作で修行し、現在は関西でWeb制作や撮影を中心にフリーランスで活動すること十数年。各地のセミナーイベントなどに頻繁に出没する。

ページの先頭へ

blog comments powered by Disqus